【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第143章 143話
「私…クラピカさんに、そんな風に優しくしてもらう資格…、ないんです…。
貴方の気持ちを知っていながら、幻影旅団を生かし…ウボォーさんの除念にも協力する約束をしてしまいました…。
発見されたクモの死体も、偽物なんです…。」
「...ああ、分かっている。」
「え…?」
「そう思っていたさ、君なら誰も死なせるはずがないと」
少し目を伏せて横を向くクラピカ
すぐにこちらに向き直ると、黙ってしまう私に「違うか?」と、聞き返してきた。
「い…いいんですか。私、それなのに、こんな風にクラピカさんと話をして、また笑いかけてもらって…
わたしに…そんな資格なんてないのにっ…」
言いながら顔がくしゃくしゃに歪み、ボロボロと涙がこぼれる
クラピカは小さくため息を吐くと、少し声を強めて奮い立たせるように私の名前を呼んだ。
「名前、君は自分が正しいと思うことをして、全力を尽くしたのだろう?
私にどう思われても、自分の信念を突き通す覚悟を持って行動した。
ならば臆することはないさ、君が私の大切な友人であることに変わりはないのだから」
もうこれ以上は無理だ。
私は息もできないくらいに涙が溢れて、もはや喋る事さえままならなくなっていた。
彼は全て分かった上で、私を友人と言ってくれた。
それ以上、もう何も必要ない…。
少し過呼吸気味になってしまった私は、それをごまかすようにクラピカに紙袋を渡す。
引きつった息遣いを止められないままの私に、無言で押し付けられたそれを受け取ったクラピカは
疑問符を浮かべながらも中身を確認した。
20240415