【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第143章 143話
爽やかに晴れ渡るヨークシンシティ
初めてこの街に来た時も、こんな天気の良い日和だった。
昨日の惨状が噓のように感じられるほど、デイロード公園ではのどかに小鳥の声がさえずっている。
夏の余韻が残る、眩しい日差し
それを避けるように木陰を歩いて、芝生のあるピクニックエリアに向かっていると...
「名前」
舗装された道の方から聞き馴染みのある声に呼び止められた。
「く、くくクラピカッ…!さん!」
同じ場所を目指していたからだろうか、私達はゴンとキルアよりも先に鉢合せてしまったみたいだ。
こんなに早く対面することになると思っていなかった私は、驚いて肩を揺らした。
ずっと心配していたし、会って話したかったから来たのだけれど…
どうしよう、やっぱり怖い…
ゆっくりとした動きで歩み寄ってくるクラピカを前に、たじろいでしまう
もし怒っていたら… 許してもらえなかったら…
彼に後悔させていたら…
どうしよう……
「元気か」
「あっ…、は、はい!クラピカさんは…」
「私は…どうだろうな、見ての通りだ。」
少し疲れが伺えるクラピカは、落ち着いてはいるみたいだけれど…どこか上の空な様子で
自分の事を訊かれても上手く答えられないところを見るに、また自身の事を差し置いて無理をしているのだろうと感じた。
「あの…、この前はすみませんでした。私、あんな差し出がましいことをして…、失礼なことも沢山言ってしまいました…。」
「…。」
勇気を出し、先日の件について謝罪することはできたけれど、視線はどんどん下に降りてしまう…
私の悪い癖だ…。
クラピカがどんな表情をしているのか、見るのが怖くて顔を上げられない
何て言われるのだろう…、待っている時間が永遠に感じた…。