• テキストサイズ

【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第142章 142話





夜の廃墟に似つかわしくない盛り上がりを見せているアジトでは、すっかり酔っぱらった団員数名が楽し気に談笑している。

私が戻ったことに気が付くと、フィンクスが「本当に戻ってきやがった」と悔しそうな顔をしていた。


「ハイ!お前らの負け~!1人1万ジェニーずつだせや」

ノブナガのこの発言を聞くに、どうやら数名で"私が戻ってくるかどうか"で賭けていたみたいだ…。
ポケットからお金を出すフィンクスは、お札をテーブル代わりの木箱に叩きつけている。
フェイタンに至っては「ワタシ、金持ち歩いてないね」と言っていて、なんだか揉め事になりそうな雰囲気がし始めていた…。

ノブナガが帰ってくる方に賭けてくれていたことは嬉しいけれど、なんだかオモチャにされている気がして複雑な気持ちだ…。


「お待たせしました。これ…」

クロロに近づいて頼まれていたクッションを渡す。
そして彼は、それをそのまま隣のパクノダに渡すと「珍しい金属だな」と言いながら、転送の為に預けていた対の指輪を返してくれた。


「あら、ウボォーも随分と牙が抜けたみたいじゃない」

パクノダがクッションを撫でながら、「ふふ」と口元を抑えて笑う。

「あ!物の記憶…!」

「そうだ、これでウボォーの生死は確認できたな。」


少なくともヒソカが未だ偽りの団員である以上、私の記憶を見せるわけにはいかない。
その為、どうやってウボォーさんの現状を伝えようかとあぐねいていたが、そうか…

『ウボォーが居る部屋の物をなんでもいいから持ってきてくれ』

そう頼まれた時は、頭の上に疑問符が複数浮かんでいたけれど、なるほど…
これなら接触にはならないし、パクノダの見る記憶は何よりの証拠になる…。

/ 450ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp