【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第140章 140話
「かんぱーい」
気の抜けるほど陽気な宴会の始まり
その様子はさしずめ大学生の飲み会の様な雰囲気だ。
幻影旅団が地元のヤンキー集団と揶揄されていたのもなんとなく理解できてしまう程に、そこには年相応で”普通”の彼らが居た。
「おう!来たか!!まあ座れよ!」
部屋の入り口で戸惑っていると、ノブナガに引き入れられる。
缶の飲み物を渡され、低い木箱に座らされた。
わ…この箱汚いな…
まあ、どうせ私も汚いし…この際どうでもいいか…
そんな呑気な事を考えて、この状況を諦め気味に受け入れていると
団長のある一声で場が静まる
「名前、ウボォーはいつ戻る?」
その場にいる全員から意識が向けられたのを感じ、身体が硬直した。
先ほどまでの和やかな雰囲気を置き去りにして、空気が静かに重くなる…
「今は、まだわからないです。容体は安定しましたけど…」
ていうか今、名前で呼ばれた…?
「何があったのか説明できるか?」
そうして、ノブナガの食い入る様な視線を感じながら
私は話せる限りの一部始終を説明した。
戦いでの負傷で今は動ける状態ではない事
鎖野郎の能力により団員には接触できない事、そして念能力を使えなくなった事
「接触って言うと、もうオレらとはツラ合わせられねえってことかよ」
「電話で声を聞くくらいならできんだろ」
存外、落ち着いた様子で最後まで話を聞いてくれたノブナガは、やはりそこが気がかりな様だ
続いて不満そうなフィンクスが軽率な考えを提案するが、シャルナークがそれを即座に却下。
「契約を破ったら命にかかわるんだ。危ない橋は渡れない。」
全員真剣な顔で考え込んでいる
そもそも、ウボォーが生きていること自体が真実なのかを疑われ、詰められると思っていたのだけれど
話の展開が思わぬ方向に進んでいて、私は少し混乱していた。