【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第140章 140話
一足先にアジトへと戻るヒソカと別れ、私は舞台裏通路を再び通り、下手側に来ていた。
沢山の競売品に囲まれながら、団員が忙しなく品物を選別している
「あの…これ、譲ってもらえませんか…?」
ピピピと携帯を操作するシャルナークに近づき、とある箱を指差すと
彼は品物と私を横目で見て迷惑そうな顔をした。
「団長が許可したらね。今忙しいから後にしてくれる?」
「わりました、すみません。」
大人しく引き下がり、競売が終わるのを待つ
シャルナークの斜め後ろで次々と運び出される品物を見ていると、遂に最後の競売品が運び出されていった。
舞台袖の向こうから、激しい入札のやりとりが聞こえてくる…
私は目を閉じて、意識的にクラピカの声に耳を澄ませながら
次に顔を合わせた時…どんな言葉を交わせば良いのだろうと考えを巡らせていた。
…
「殺しはダメだけど、盗みはいいんだ?」
競売が終わり、幕が降りる
一仕事終えたシャルナークが含み笑い気味に声をかけてきた。
「ダメに決まってますけど、人命には変えられないので」
「自分の?」
更に揶揄う様に言われて、心底そうだな…と思った。
本当の意味で、彼らを止められる日は来るのだろうか…。
「そこは反論してもらわなきゃ、まあお互いお疲れ様」
何も言い返せず、クラピカの事を考えて落ち込んでいると
シャルナークは爽やかな笑顔を向けて私の肩を軽く叩いた。
労いの言葉を貰ったことに少し驚いていると、彼は他の団員と一緒にお宝を荷台へ積み始めている。