【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第139章 139話
「ウボォーが生きてるって、ほんと?」
スタッと、背後にマチが降りてくる音が聞こえ、振り向くと同時にそう言われる
「あっ…はい、私の部屋で眠っています。」
「…アンタが助けたの?」
「助けた…とは思っていません。私の勝手で死んでほしくなかっただけです。」
それは、くだらない拘りなのかもしれない
”助けた”と言うには余りにも身勝手で、傲慢な行動だ。
きっとこれから先も、この感情から逃れる事はできないのだろう
だから…”助けた”という言葉に頷くことはできなかった。
思い詰める私の顔を見透かすように、瞬きするマチの瞳がキラリと光る
「フフッ…アンタも相当頑固だね。」
そう言うと彼女は背を向け、暗がりへと去っていった。
「妬けるねぇ」
「え?」
「彼女、キミが気を失っている間にだいぶ世話を焼いてくれていたんだよ」
「え!?」
ヒソカは背後から私の肩に顔を寄せると、そう呟いて詳しい話を聞かせてくれた。
ウボォーさんの大声やフェイタンからの奇襲…、お宝の在りかを聞き出すために乱暴な手段で起こされそうになった時など
その全てでマチが止めに入ってくれていたらしい…。
「えぇ…!うれしい…。」
そんなことを聞かされてしまって、つい顔が熱くなってしまう
私は感極まって口元を両手で覆った。
「キミ、嬉しくても泣くんだね」
20240221