【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第139章 139話
「おまたせしました皆様!!では、これよりオークションを開始いたします!!」
そうして始まった偽りの地下競売
逐次コルトピがコピーした品物を下手側から出し、シャルナークに操作されている司会者がそれを売りさばいていく…
私の記憶では、このシーンでマチに殺される黒服が本日最後の犠牲者となるはずだ。
「ハァッ…はぁ…!これでっ…!最後…!!」
誰も居ない舞台裏通路を走り、上手側に回る
いつの間に靴擦れを起こしていたのか、慣れないパンプスが痛くて、息が苦しくて、身体が重くて…
それでももう終わると思うと、不思議とそんな苦痛さえ嬉しく感じていた。
急いで通路を抜けて辺りを確認すると、明かりの漏れる舞台袖に黒服の男が…
ポケットに手を入れ煙草を取り出そうとしている
この人だ
「お、すまねえな」
ライターの炎で照らし出されるヒソカの顔に気が付き、身の危険を察知した男は一瞬身体が固まる
そして咥えていた煙草が床に落ちる前に、私は彼をシェルターへと送り込んだ。
何とか間に合った…。
「おや…お疲れ様。」
「火気厳禁ですっ」
ボロボロの私を見て、ヒソカはにこやかに笑いかける
最後の黒服をシェルターへ送り、やっと一段落した私はそれに対して嫌味を返す余裕が出てきていた。