【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第139章 139話
「名前も知っているのか」
口元に少し笑みを浮かべながら、容赦なく距離を詰めてくる彼に少し身構える
すると、そんな私の強張りに気が付いたのか、クロロはその場で足を止めた。
「ウボォーに聞いたのか?」
「い…いえ」
「ウボォーが生きているというのは本当か?」
「はい…。」
シャルナークから報告を受けたのか…
私の口から改めてウボォーさんが生きている事を知ったクロロは「フゥー…」とため息を吐いて、アスファルトに視線を落とした。
「ウボォーがすんなり助けられたとは思えないな。本当なら大したものだ…」
終始口元が緩く弧を描いているのを見るに、怒っている様子ではなさそうだけれど…
クロロが今何を考えていて、どういう心情なのかが分からないが故に、私の緊張はより一層強くなっていった。
「い…今は…”団長”…なんですか…?」
「?」
つい口走ってしまったその言葉に、言った方の私もクロロと同じく頭上に疑問符を浮かべる
踏み込んだ発言をしてしまったことに気がつき、ハッとして口元を押さえると控え目な失笑が聞こえてきた。
「フフッ…、お前が話しやすい方でいい。」
「あ…あっ…!ありがとうございます。えっと…、えっとえ~…
実は、団長…じゃない方が助かるかもしれないです…。」
オドオドと遠慮がちにそう伝えると、クロロは顔を伏せ…
「そう…まともに会話ができないのはオレも困るから、そっちに合わせようか。」
そして次の瞬間…サッと私に向き直ると、彼は別人のように人当たりのいい雰囲気に変わっていた。
話し方だけじゃなく、まとっている空気までもが先ほどとは全然違う…
小声で「すごい…」と声を漏らすと、クロロは私に近づいて手を差し出してきた。
「今だけね」
「…分かりました。 …あの、その手はなんですか?」
「会場に戻るだろ?ついでにオレも連れて行ってよ、見ての通り少し疲れてるんだよね。」
クロロもヒソカと同様、きっと見ただけで私の能力がどんなものなのか理解しているのだろう…。
にしたって…当然できるでしょと言わんばかりに要求されても、直ぐにその意図を汲み取れるわけがない。
「私の能力、盗まないでくださいね。」
そして私は、恐る恐る差し出されたその手に触れた。