【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第138章 138話
「名前!?」
発信してすぐに出てくれたゴンは喜びながらも驚いている様だ
鼻声交じりで「良かった…!」と言いながら、受話器の向こうでキルアを呼んでいる
「連絡できなくてごめんね」
「ううん、こうして声が聴けたから大丈夫だよ!名前は無事?」
「私は大丈夫。でもゴンにお願いがあって、助けて欲しい事があるの」
「…っもちろん!何でも言って!!」
やけに気合の入った大きな声でそう返してくれたゴン。
詳しい事情を説明する時間がない事を伝えて、ゴンの持っている対の指輪をできるだけ広く、人気の少ない場所に隠してほしいとお願いした。
「沢山の人を避難させる必要があるの。
でも武器を持ってるマフィアだから、できるだけ被害が出なさそうな場所がいいんだけど…難しいよね」
「まかせて!それなら海はどう?ここからなら…全速力で4分!いや3分待ってて!」
「海… そっか!完璧だよゴン!ありがとう!!」
海岸なら人は居ないし、海に転送された人たちの銃器は、砂や水に濡れて使えなくなる。
ビルに戻る人が居たとしても、十分な時間稼ぎになるだろう
完璧な作戦だ…。
こんなの、1人じゃ考えつかなかった…
ゴン…やっぱりゴンは凄いよ…!!
巻き込みたくないと思いつつ、縋るように連絡してしまい後ろめたさを感じていたけれど
そんな気持ちは、ゴンの完璧な主人公っぷりに感動して吹き飛んでしまった。
「よし…!」
立ち上がり、腕で涙を拭って気持ちを切り替える
1人では無理でも、ゴンと一緒ならきっとできる…!
待っている間、私は引き続き黒服達をシェルターへと転送
間もなくしてゴンから到着の連絡を受け、足がつく程度の浅瀬に指輪を投げ入れてもらった。
「指輪は後から回収できるんだよね?」
「うん!指輪同士が一番強く結びついてるから絶対大丈夫だよ。後は任せて!本当にありがとう…。」
「オレこそ役に立てて嬉しいよ!」
現状はこれで何とかなりそうだ…
先ほどの通り、指輪同士でなら殆ど負荷なく能力を使う事ができる。
応援に来る下っ端の構成員達は一先ず海へ送り
直接事情を知っている幹部の人達やオークション関係者は、隔離する為にシェルターに送る事にした。