【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第138章 138話
セメタリービル周辺一帯で、次から次へと巻き起こる爆発や銃撃戦
目についた場所から虱潰しにシェルターへ転送しているけれど
数が…
人数が多すぎる…!
もう何百人目かになる人間を転送して、私は焦っていた。
シェルターの定員は余裕を持って500人程度...
このままだと手に負えなくなってしまう…
団員の方を何処か別の場所に…
いや、神字のある場所に転送できるような所は無いし、神字無しでやるにはもう身体が持たない…
そもそも彼らは触れようと思って触れられる相手ではないうえに、向かって行ったら流石に返り討ちに遭うだろう
あまりにも無謀だ…
オークション開始まであと何十分か、その間だけでもしのげればいいのだけれど…
でも…一体どうすれば…
他になにか方法は...
どうしよう…私だけじゃもう…
鳴り響く爆発音や喧騒が遠くに感じ、私はついに立ち止まってしまった。
耳鳴りがして地面がゆっくり揺れているこの感覚…
絶望の二文字がすぐそこまで迫っている
「ハッ… ハァ… ハァ… …。」
呆然と一点を見つめていると、斜め向かいの生垣や街頭の光がぼんやりと涙で歪んだ…
目に溜まった涙がこぼれ落ちた時
頭に浮かんできたのは、ゴンとキルアの顔で…
「ハァ…… ハァ…… ハァ……、……。」
私は壁に寄り掛かり、物陰にしゃがみ込んで携帯の電源を入れた。
[不在着信:23件]
電源がつくように祈っていると、パッと画面が表示され、その通知の数に少し驚く
全部ゴン達からだ…
心配させていたと気が付いて、胸がギュッと締め付けられた。
湧き出てくる涙を、顔を歪めながら手で拭う
[電池残量:7%]
泣いている暇はない、急がないと…!
ギリギリで繋がった僅かな希望の光
私はゴンに電話をかけた。