【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第137章 137話
「どうしよう、結局名前の事訊けなかった」
「流石に何か知ってたら言うだろ、クラピカに接触した時点まではあいつも無事だったってことさ」
「そうだよね、名前本当にやったんだ…凄いね。」
「オレ達にこんだけ心配かけておいて凄いも何もねーっつの!
あー腹立つ!何してんだよあいつ!さっさと連絡よこせよ!!」
キルアはやり切れない気持ちを誤魔化すように、悪態を吐いて歩き始めた。
電話でクラピカに怒った理由…、オレにも痛いほど分かる…。
仲間に頼って貰えないこと、自分にその力が無いこと
「悔しい」
小さくそう呟くと、背を向けていたキルアは少しだけ顔をこちらに向けた。
「次連絡ついたらさ、クラピカに念の修行つけてもらおうぜ」
「え?」
「だってアイツ、旅団の1人を倒す実力があるって事だろ
オレ達も同じ時期に念を覚えたんだから、そのくらい強くなれる可能性はあるはずだぜ
今のオレ達じゃダメなんだ…少しでも早く、強くなんねーと…」
最後の言葉を独り言のように呟くと、再び歩き始めるキルア
その背中を見て、オレは気が付いたんだ。
「やっぱり、キルアも同じ気持ちなんだね」
「は?何が…」
「名前の事、守れるようになりたいって…キルアも思ってるんでしょ」
「なっ!…は?!ってか『も』ってなんだよ!!お前ホントそういうこと平気で言うよな!」
「否定しないんだ」
からかうようにそう言ってキルアを追い越すと、そのまま目的地まで競争になってしまった。
クラピカとも連絡が取れたし、名前の消息も少し掴めた。
たとえ相手がどんな奴であっても、名前が助けたいって思って頑張ってるんなら、きっと大丈夫だろう。
少しでも負担にならないように、オレ達はオレ達のできることをして、今は名前からの連絡を待とう…。
20240209