【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第135章 135話
瞬間、静観していたクモの一人がゴンを後ろ手に取り押さえる
「ゴン!!」
掴み上げるその腕がゴンの骨を折ろうとしていると分かり、オレも咄嗟に身体が動いてしまった
が
一歩足を踏み出した瞬間
「動くと、切る」
ヒソカの殺気によって身体が硬直する
刃のようなトランプが首元に突き付けられ、血が滴る感覚を覚えた。
ダメだ
ヒソカは本気だ。
どうすればこの窮地を乗り切れる…?
このままゴンが致命傷を負ったら…?
誰が助けてくれる…?
目まぐるしく思考が回る中、浮かんでくるのはあいつの顔だ。
名前…
忠告を受けたのにも関わらず、こんな事になってざまあないよな…
それなのに、助けて欲しいと思って浮かぶ顔があいつだなんて…
クソッ…!
どこいっちまったんだよ…!!
一触即発のさなか、クモ同士でゴンをどうするかモメ始めた。
ゴンを取り押さえているチビと、それを睨みつけるヒゲは今にも殺し合うんじゃないかという気迫だ。
限界まで張り詰めた空気の中、デカブツの男が仲裁に入ると、オレ達の処遇はコインで決まることになり…
そしてゴンとオレは、本日何度目かの命拾いをした。