【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第134章 134話
秋風が心地よく吹き抜ける広場は、行楽日和とあってか騒がしく
かなりの人間が集まっていた。
そんな中、マチとノブナガはテラス席に腰をかけ、暫く動きを止めている。
「あーあ、なんか飽きちまったな。あいつらも普通にサボってんじゃねーのか」
「馬鹿言わないで、私達を探してる連中は山ほど居るのよ、気を抜かないで仕事なさい」
だらしなく壁に寄り掛かっていたフィンクスは、私のお小言に唸りながらも身体を起こす。
「っつってもよー…これってつまりノブナガ達はデコイってことだろ、来るかもわかんねえ敵に待ちぼうけ食らうのは性に合わねえんだよな」
子供のような態度に、小さいため息が出る。
監視については私がしっかりしていれば問題ないだろう
そう思いなおし視線を戻して引き続き状況を見守っていると、マチの背後に座っている男女が慌てた様子で携帯電話を操作している事に気が付いた。
「フィンクス」
注意を向けるように声をかけると、フィンクスもその事に気が付いて身を乗り出す。
すると丁度女の方が誰かと電話をし始めた…行動がまるで素人、あいつらはただの一般人ね…
何処かに居所をタレこんでいるんだわ…という事は、もうしばらく待っていればノブナガ達を追っている奴らがこの場に来るはず…。
暫く身を潜めていると、マチとノブナガが席を立ち旧市街の方へと歩き出した。
「ッチ、あいつら小道に入っていきやがった。オレは車まわしてくっから、場所が分かったら連絡しろよ」
「了解」
方向からすると、小道を抜けた先の廃墟に誘い出すつもりね…
人気のない場所であればこちらも好都合…追ってくる人間は確実に追跡者ということになる
さあ、一体どんな奴が出てくるのかしら