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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第133章 133話


シャルナークside
~~~


「ウボォー帰って来た?」


「いや、まだね」



次のオークション会場を襲う準備を済ませアジトに戻ると、血生臭い臭いが鼻についた。
あの子の言った通り、競売品は陰獣の梟が持ち出していたらしい
念能力で保管している為、殺してしまっては競売品が手に入らないから、フェイタンがいつもの方法で思い通りにしたのだろう。
案の定、部屋の奥には袋を被せられた男がぐったりと椅子に縛られていた。

男からフェイタンに目を向けると、珍しく励ますような口ぶりで「心配無用ね、あいつ 簡単に死ぬタマ違うよ」と言われたけれど…

それでも、オレの胸騒ぎが収まる事は無かった。







「この時間まで戻らないのは確かに考えづらいな…」

団長の居る部屋にアジトに居る団員を集めた。
ウボォーを攫った鎖使いの男と、起こった一部始終の情報共有が必要だと判断したからだ。

報告もそうだけれど、できれば団長の考えも聞きたい。
そして同時に、聞きたくないとも思ってしまう…

”どうかオレの思い過ごしであってくれ”…正直、そんな気持ちもどこかにあった。


「強化系の戦いが長期戦になる事はそうそう無い、ウボォーの戦闘スタイルから考えても相手の念能力に手こずっているか、もしくは動けない状況にあるんだろう…
ウボォーが探しに行ったのはその鎖使いの男か?」

「うん…毒が効いていたとはいえ、ウボォーを拘束できる程の鎖だった。また捕まっているのかもしれない。」

「鎖使いか…」


団長が少し間を置き、鎖野郎の念能力とウボォーとの相性の悪さを想定して説明を始める。

オレの考えていた結論と団長の答えは、残念ながら大方同じで
それは操作系の能力者である自分自身が一番よく理解していた。

理解していたはずなのに…


「やっぱりオレもついていけばよかった…………くそっ」

団長が冷静であるほど、オレは柄にもなく取り乱してしまった。

夜明けまではウボォーを待つことになったけど…
それは裏を返せば、ウボォーが鎖野郎にやられたと断定する事になる。

自分が付いていながら、不甲斐ない
そう思う事すらウボォーは怒るだろうか

それでもオレに、自分の判断ミスを許せる日はきっと来ない。


「シャル」

「!」


「頼みがある」



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