【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第132章 132話
左腕の関節辺りと腹部の皮膚が紫色に変色している。
口から血を吐いてるってことは、きっと内臓が損傷しているんだ…
腕は後回しにして、まずは内出血している臓器の治癒から…!
ゾルディック家から与えられた私の部屋のベッド
はじめは大きすぎると思っていたこのベッドも、ウボォーさんを寝かせるにはピッタリだった。
私はベッドサイドに椅子を付け、損傷箇所に手をかざして丁寧に優しくオーラを送り始める…。
見よう見まねだが、クラピカは自分のオーラで回復力を強化し、折れた骨も元通りにしていた。
群青のオーラがこれだけ無尽蔵にあれば、きっとこの方法で回復できるはず…!
「ごふっ…!ゴホッゴホッ…!」
「ウボォーさん?!」
送り始めて間もなく、意識を取り戻したのかウボォーさんが薄っすらと瞼を開けて私の方を見ている、けれどそれ以上の反応がない。
声をかけても、うつろな目で宙を眺めるばかりで呼吸も浅いままだ…
こちらを向いているが、目も耳も聞こえてないみたい…
本当にオーラを送り続ければウボォーさんは助かるのだろうか…
過る不安、自信なんてない。それでも私には、この方法の他に手段は無かった。
…
生命エネルギーを送り続けて、もうどのくらい時間が経過しただろうか…
「ぅ…、はぁ… はっ…」
昨晩の時と同じように、頭痛や節々の痛みが酷くなってきた…。
眩暈がして無意識に身体が揺れてしまう。
「おい…」
フラフラと船を漕いでいると、突然ウボォーさんの声に気が付いた。
良かった!意識が戻った…!
目の前が涙でぼやけていく
「あ…!あっ…良かった…!」
私までうまく声が出なくなってしまった。
お互い話しやすいように、ウボォーさんの顔の方に近づこうと立ち上がるが、ガクンと力が抜けて彼の胸に倒れ込んでしまう。
「んっ!すみません…!」
苦しそうに眉間にシワを寄せたウボォーさんが私の腕を押し返した。