【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第131章 131話
「このまま感情に任せて彼を殺した貴方は、その事でまた責め苦を負っていました。
これは主観ですけど…きっと後悔に近い感情もあったんだと思います。」
そう言いながら、ゴンとキルアを奪還したのち、3日間寝込んでいた時のクラピカを思い出す。
彼は強い、強いからこそ、耐えがたい苦しみさえ乗り越えて、更に強くなる…。
そして変わってしまった…
たった1人で
「自分自身が負う苦しみは構わない。人を殺めるとはそういう事だ…。
私がどんな覚悟で生きてきたのか、キミならよく知っているんじゃないのか」
しかし、顔を上げて向かう先は前ではなく過去
クラピカはただ1人、暗闇と対峙している。
その先には誰も居ないのに。
「同胞の無念を晴らすために人生を捧げる覚悟がどんなものか、私には想像もできないです。
けど…こんな私にでも分かります。優しいお父さんも、明るいお母さんも、村長も村の皆も…
そしてパイロも…」
「ッ!気安くその名前を口にするな!」
「もし彼なら!私がパイロだったら!!自分のためにクラピカが人殺しになるなんて耐えられない!」
お互いに声が大きくなって、柄にもなく怒鳴り合ってしまった。
解ってる…二度と同じ惨劇を繰り返さない為にも復讐を決心したこと、それを誰も望んでいない事に気付いているのも
緋の眼を赤く滾らせ私を睨みつけるクラピカ、いつもの自分だったら一歩たじろいでしまうだろう…
ただ、私も命がけでここに立っている、できる事をやり切るまで引くつもりはない。