【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第131章 131話
⚠注意⚠この話の中には原作No.395以降の内容を前提とした会話が含まれます。ご注意ください。
強い風が吹いた
荒野に砂埃が舞い、たった今…大きく運命が変わろうとしている3人を月明りが照らしている。
「久しぶりですね。こんな形でも、私は会えて嬉しいです。」
「…。」
眉を下げて笑い、平静を装ってはみたものの、クラピカは目を合わせようとはしない。
彼はウボォーさんの心臓に繋がった鎖をギャリ…と握りこんで腕を下した。
「私が来ると思ってたってことは、その理由も解ってますよね…。」
「どうしても…なのか」
クラピカは悲しい声色で、諦めたように私と向き合う
たった今、ウボォーさんにトドメを刺そうとしていた彼は、私と対面し落ち着きを取り戻そうとしていた。
「人を殺すのって…思っていたのと、違ったんじゃないですか?…こんなはずじゃなかったって感じませんか?」
「……。」
クラピカは瞳を閉じて、静かに呼吸をしている
今なら…まだ間に合う
彼は人を殺して平気でいられるような人間じゃない…それだけでもクラピカを止めるには十分すぎる理由だ。
憎しみに駆られて誰かを殺すなんて…それがどれだけ悲しいことか
しかし…私みたいな部外者の立場で、耐え難い苦しみにさらされてきたクラピカに一体何が言えるのだろう…
時間を遡ってクルタ族の運命を変えることもできないし、何一つ彼を救ってはあげられないけれど…
それでも...大切な人が間違った選択をしようとしている、気が引けるだなんて思っていられない…。
自分を奮起させようと、肩に力が入った。