【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第130章 130話
ドク
ドク
ドクッ
心臓の脈打つ音が聞こえる
徐々に覚醒していく意識の中で、次に呼吸する自分を認識した。
瞼の裏には橙色の揺らめき…
そこまで来るともう目覚めるまでは駆け足で、私はガバッと起き上がると全身の痛みに驚き、悲鳴に近い声を上げた。
「随分ムリしたみたいだね」
キーーーーンと耳鳴りがする中、声のする方を向くと
向かいのソファーにはトランプで遊んでいるヒソカが座っている
そして山札の中からピッと一枚のカードを引き抜き、人差し指と中指で持ち上げ自らの顔の前にかざす…
トランプをクルリと90度回転させると、カード越しに彼と目が合った。
「…あっ、いま何時ですか?!」
「夜の9時を過ぎた頃かな…」
「え!わたし丸一日眠ってたんですか?!」
「眠っていたというか…気絶に近い感じだったね」
ちょっとまって翌日の夜9時って…
自分がこんなにも長い間意識を失っていた事にも驚いたけれど
それどころじゃない
夜にはクラピカとウボォーさんが…
「あの!ウボォーさんは何処に居ますか?!」
「ボクに聞かれても知らないよ、たまたま仕事が無いから見張りを頼まれただけで…
随分慌てているね、また彼に電話する?」
退屈そうにトランプを弄りながらそう聞かれる。
私が頷くと、ヒソカはシャルナークに発信した携帯を手渡してくれた。