【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第129章 129話
この人達が…
写真を見て、胸がギュッと押し込まれる感覚がした。
首にかけている指輪を無意識に握りこむ…、オレが念じたって名前は現れないって分かってるのに…。
「だけどよ、競売品は結局盗まれてるし、止めるのは失敗したって事だよな?」
「マフィア側が情報統制してるから、何処までが正確な情報かは分からないけど…まあ、その可能性が高いかな
ただ…名前が人命を優先したと考えれば、比較的自然な結果だと思うぜ。会場に居た人間は”消えた”って話だし。」
「なるほど…、死亡が確認されてるわけじゃないのか…」
「能力が使えるなら、名前が捕まってるってどういう状況なんだろう…」
2人が難しい話をしている中、オレも頑張って考えているけれどそれだけが解らない…。
連絡が取れない理由…
オレ達に会えない理由…
「確かに、あいつの能力ならそう簡単に捕まったりやられたりはしないはずだけど…
本人が抜けてるトコだらけだからな~…」
「オレが知らないだけで、名前ちゃんってそんな奴らを相手にできるほど強くなってたのか?」
「いいや、あいつの念は確かに強力だけど戦闘向けじゃないし
名前自身も旅団の連中とはいえ誰かを傷つけたりはしないだろ」
「とにかく、少しでも情報を集めて助けに行かなくちゃ…」
「ああ、今はそれが最優先だな
捕まえりゃ賞金は手に入るし、クラピカの負担も減るだろうし一石三鳥だ!」
オレを励ますように、レオリオはそう言って肩を組んでくれた。
「あ、クラピカはどうしてるんだろう…」
「そういや来てるはずなのに連絡が全然ないな」
「本当に幻影旅団が関わってるんだとしたら、クラピカに連絡して皆で名前を探した方がいいよね」
そう考えて電話をしてみたけれど、クラピカが出る事は無かった。
名前もクラピカとも連絡が取れない
ただ呼び出し音を聞いて待つ事しかできないこの状況が、歯がゆくて仕方なかった。
それでもたった一つ、この写真の人たちを見つければ2人の助けになる事は確かだ。
そう考えたら、名前からの言いつけを破る事になったとしても、じっとしてなんていられなかった。
20240105