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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第126章 126話




ガタンとした振動で目が覚める。

薄っすらと目を開くと、マチが私を気球から外へ運び出していた。



「起こす手間が省けたね。さ、この後はどうするんだ?」


目覚めた私に気が付いたマチは、そっと地面に降ろしてくれる。
私は辺りを見回し、崖を滑り降りていくウボォーさんを見つけ即座に状況を理解した。


ウボォーさんが黒服に向かって行く…

止めないと…!


「あ!…ぐっ!」


起き上がり、動き出そうとして思わず声が出た。
全身が軋む様に痛くてうまく動けない…

オークション会場で無理をしたのが祟ったのか、全身の関節が風邪をひいた時みたいに痛くて力が入らなかった。

もちろん、風邪の比じゃないくらい痛いし…何なら頭痛もする…。



「はあっ…あっ…く…」

オーラを使いきった時の様に一切動けないワケではない…痛いだけなら我慢できる

大丈夫…歩けなくても、せめて立てれば…!








「この場面でええ根性しとんのォ、てめェらのアタマどいつだ?」


ドウ!!



間近で聞く銃声が鼓膜を震わせる

ウボォーさんが撃たれた銃弾を歯で止めて見せた後、腕を大きく振りかぶったところに私は滑り込んだ。


「っと、ぶねえ…なんだお前起きたのか」

「はぁ…っ、はぁっ…」

「おいおい既に満身創痍じゃねえか、やめとけって、無理すんなよ
こいつらにそんな価値ないぜ?」


「…ウボォーさん、邪魔して…すみません。」


彼に背中を向け、横目で表情を伺うと
その顔は思いの外、楽し気に見えた。

お手並み拝見といったところだろうか…



「なっ…なんだこの女、一体どこから出て来」

言い終わる前に、黒服の肩に触れて能力を発動させる
目の前から人間が一人消えると、他の黒服たちはウボォーさんに照準を合わせていた銃口を私へと向けた。


パンッ!

パンパンッ!!


乾いた銃声の合間を縫うように転送を繰り返し移動
当たった銃弾はオートモードの能力で回避して、1人ずつ確実に黒服を四次元マンションへ転送していった。


そう、私がノヴさんから借りた四次元マンションは、殺されてしまう人達の為のシェルターだ。

ヨークシンシティでの騒動が完全に収まるまで1週間
その間、十分に過ごせるだけの物資は全て準備して揃えてある。


後は…ただ殺される前にひたすら送り込めばいいだけ。

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