【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第125章 125話
「それで、アタシ達はこの後どうすればいい?」
「そうだな、女は目を覚ましそうにないか?」
「どうだろう…、オイ!起きな!」
「水でもかける?」
ジスクがペットボトルの水を取り出す。
躊躇のない言動に、少し驚いたけど
まあひっぱだくよりマシだし、この際良いだろう…
ピチャチャッ…チャチャチャチャッ
「…んう、ん゛!ごほっ!」
額目掛けて水をかけて間もなく、瞼がピクリと動いて女が目を覚ました。
「あ、起きた。」
シズクはそれを確認すると、ボトルのキャップを閉め、少し後ろに下がる
「…ここって…」
「しっかりしな、今はオークション会場を脱出したところだよ。
アンタが言いだしたんだから、ちゃんと競売品のある所までアタシ達を案内するんだ。」
目は覚めたが、あまり身体に力が入っていない…、アタシが支えていないと上体を起こすことも難しそうだ。
「ゴルドー砂漠の方に行ってくださいっ…!」
話すだけで苦しそうに顔を歪めている
にもかかわらず、風やバーナーの音でかき消されない様に、無理をして大きな声を出すこの女が痛々しかった…。
抱える腕に思わず力が入る。
「着いたら教えてやるから、それまで休んでな」
「ありがとう…ございます。あの…会場に居た人たちは…」
「殺される前に一人残らず消えたよ」
アタシがそう言うと、女は安心したように目を閉じた。
20231016