【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第125章 125話
気球が無事離陸し高度が安定すると、団長に報告をする為にウボォーに変わってアタシが女を担いだ
「団長!あの女やりやがったぜ!」
「ウボォー、まずは品物の話だ、あったのか?」
「いいや…!金庫の中には何一つ入ってなかった。
お宝だけじゃねェ…とんでもなくデカい発で、オレ達以外の人間が丸っと消えちまったんだよ!」
「ねぇ、アタシからも言いたいことがあるからスピーカーにして」
ウボォーはやや興奮気味で団長と話している。
他の団員にも状況把握は必要だし、アタシは通話をスピーカーにさせた。
フェイタンも直接団長の言葉を聞いた方が納得するだろうしね。
「団長、例の女連れてきちゃったんだけどさ、気絶してるんだよね…今なら殺れるけど、どうする…?」
「…。」
フェイタンはアタシを睨みながら黙って団長の言葉を待っている。
地上から聞こえるけたたましいクラクションと発砲音が、張り詰めた空気に拍車をかけていた…。
「…現段階で競売品の行方を知っているのはそいつだけだ。それを押してまで始末するべき理由があるなら聞こうか…フェイタン」
流石は団長…今のやり取りだけでアタシじゃなく、フェイタンが反対している事を見抜いている…
「お宝と団員の秘密、どちらが大切か?この女…バケモノだたよ、生かしておいて、何しでかすか解らないね」
「珍しいなフェイタン、そんなに怖がるほどの念だったのか?」
「……。」
「そいつを殺れる隙は今後必ずやってくる。だが今じゃない…殺せばオレ達にデメリットが多いのが現状だ
お前なら解るだろう、利用してからでも簡単に殺せるさ、焦る必要はない。」
「…わかた。その代わりその時はワタシが殺す、いいか?」
「ああ、そうしてくれ」
団長との会話が終わり、フェイタンはフランクリンを押しのけ、アタシとこの女から一番離れた端に移動した。
報告の途中だと言うのに、興味がなさそうに外を向いて不貞腐れている様だ…
まったく…ガキだね