【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第124章 124話
荷物検査をクリアし豪奢なロビーへ入ると、カサブランカの様な濃厚でラグジュアリーな花の香りが鼻腔を刺激する
大理石の床、大きな柱、沢山の観葉植物、あまりのゴージャスさに恐縮してしまった…
周りを見渡すように顔を上げると、煌々と光り輝くシャンデリアが…
先ほどまで夜の街に居た私には少し眩しくて、すぐに下を向いて縮こまって歩いた。
中に入ってすぐ、運転してくれたシャルナークにお礼を言って別れると、彼は眉を上げて鼻で笑い肩をすくめた。
精々頑張ってね、と聞こえてくるような仕草だ…
まずはお化粧室に行って能力を使い、一度自分の部屋に戻ろう
必用な物を持ってこないと…。
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フェイタンside
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随分と気に入らない存在が現れたものだ。
ヒソカだけでも鼻につくと言うのに、このガキは更にたちが悪い
甘ったれた事を宣い、意味の解らない事を主張し、久々の大仕事を邪魔しようとしている
団長やシャルナーク、それにウボォーやノブナガまでもがコイツを受け入れている事も気に入らない。
そしてあろうことか、このガキは殺すことができない…
何よりもそれが癪に障った。
「フェイタン」
あまりにもイラついていて、登場のタイミングを逸する
フランクリンの声に我に返ると、上手から見た舞台には既にスポットライトが当たっていた。
今からこの苛立ちを、腐りきったクソ共にぶつけてやる…、そう考えると少しはマシに思えた。
壇上に上がり、マイクにスイッチを入れる
ああ、後数秒で血の海が広がり、逃げ惑うゴミ共が泣きわめく様が見られる…
「皆様ようこそお集まりいただきました、それでは堅苦しいあいさつは抜きにして…」
殺しを目前に控え、気持ちが高揚しきったその瞬間…
ズンッ…!!
「「!?」」