【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第122章 122話
「えっと、じゃあ手をつないでもらっていいですか?」
「よろこんで」
食事の後、ヒソカと横に並んで念能力を発動した。
ちょっとだけ不安だけど、転送先は幾度となく行き来している私の部屋だ。
きっと大丈夫だろう
「行きますね」
ぎゅっと目を瞑っていつもより丁寧に練を行うと、私たちは一瞬にして部屋に移動した。
良かった、うまくできた…
自分の部屋の匂いが凄く落ち着く…。
「素晴らしいオーラ量だね…、ここは君の部屋?」
隣で私のオーラを見ていたヒソカは、その大きさに目を見開いていた。
いつもより丁寧に練をしたんだけど…それでも量を調節できなかったっぽいな…
「はい、出入口とかは無いんですけど、だいたいの設備は揃ってますよ。」
「素敵な部屋だね…ロイヤルスイートみたいだ、気に入ったよ。」
周りを見回し、満足気なヒソカはソファーに腰かけた。
ゾルディック家って事は黙っておこうかな…
「紅茶淹れますね。それ持ってアジトに戻りましょう」
キッチンへ向かおうと背中を向けると、ヒソカがポツリ…
「シャワーを借りてもいいかい?」
思わずピタッと動きが止まる
「え…えええぇ…」
「キミのせいでホテルには戻れないし…ボクが綺麗好きなの知ってるだろ?」
できるだけ急いでアジトに戻らないと、居ない事が誰かにバレたら困るのに…
私のせいと言われるとダメとは言えないしな…
仕方なくヒソカをバスルームへと案内した。
彼が着れるような着替えは無いので、自分で洗濯乾燥機を使ってもらう
私が明日の支度をしていると、脱衣所からピッピッと無機質な操作音が聞こえてきて、ヒソカが家電を操作してるのかと思うと似合わなさ過ぎてなんだか少し笑ってしまった。
それからは、お風呂上がりのヒソカの色気を直視しないようにアジトへと帰し
私もお風呂に入ってからアジトへと戻る。
ボロボロのソファーにシーツを敷いて、部屋から持ってきた枕と毛布に包まれて眠りについた…
ゴンとキルアは今頃こちらに向かっているのだろうか…
携帯を没収されてしまったので、連絡が取れない事に懸念を抱きながらも不安な夜を過ごすしかない…
明日は9月1日…
20231012