【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第116章 116話
「…明後日の地下競売を襲う計画は失敗します。無駄な犠牲を出す前に、中止にしてほしいんです。」
「…なぜそれを?」
知りえない情報が連続して私の口から出ると、クロロはこちらに視線を戻し流暢にそう問いかけた。
「そうですよね、では…まずはそこからお話しますね。」
一度シャルナークで失敗している…
ここでもクロロからある程度の理解を得られないとなると、この先の行動がだいぶキツくなるな…。
「私は…こことは別の世界から来たんです。そしてあなた達の事を元居た世界で漫画として読んでいました。
だからそこに描かれていた全ての事を知っています。明後日何をしようとしているのか、その後にどんな事が起きるのかも…」
「漫画っ…」
淀みなく、慌てず簡潔に必要な事を言えたと思う。
内容以外におかしな所は無いと思うけど、クロロは何故か肩を揺らして堪える様に笑っていた。
やっぱりイカれてると思われたか…
私が不安そうな顔で居ると、クロロは息を整えてこちらに向き直った。
「漫画か…せめてハードカバーの超大作であってほしかったな…。」
「え…いや、あの…世界的なヒット作品ですよ。」
「フフフ…そういう話じゃない。というより...お前の言うことが事実なら、オレ達はオレ達である前に、既に物語の登場人物であったわけか」
せきを切ったようにはぁーと息を吐き、笑いを抑え長い呼吸をするクロロは何処か遠くを見ていた。
「解っただろ、団長。時間の無駄だよ。」
「そうだな…ただ、嘘だとしても本当の事を吐かせる必要はある。
此処を知られた以上、明日以降の計画にも支障が出るだろう。」
「私が調べようか…?」
壁に寄り掛かっていたパクノダは、ゆらっと立ってこちらに歩いてくる
コツコツと響くヒールの音が迫る中、私は能力を発動しようとした。
「お前がここから逃げるなら、計画の中止は叶わない。
当然、オレ達はアジトを変え二度とお前に会う事もないだろう。」
そんな私の行動を読んだクロロは、強い口調でそう言い放つ
ただ、私も記憶を読まれるわけにはいかない…、ヒソカが偽物の団員である事がバレてしまう…!