【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第115章 115話
「……的を得ないな。
まあ…いずれにしても、あのオーラの気配はこの女の物で違いないだろう。」
そう言ってクロロは振り返り元の瓦礫に腰かける
念能力者って、誰が誰のオーラとか解るんだな…。
ヒソカもゼノさんも、私に近づいてオーラを確認していたし…今のもそうなのかな…
「どうする?盗らないの?」
シャルナークの言う”盗る”とは恐らくクロロの念能力『盗賊の極意(スキルハンター)』の事だろう
私の能力さえ奪ってしまえば、操る事も殺すことも可能だし…そう考えるのが妥当だよね…。
「…話をしに来ただけなんだろう。一先ず聞こうか」
だけど意外にもクロロは穏便だった。
シャルナークは「聞く価値無いと思うけど」等と不満そうにしていたが、諦めて近くの段差に座る。
私も辺りを見回すが、丁度いい位置に腰かけになりそうなものはなかったので、立ったまま話す事にした。
「お時間をいただきありがとうございます。できれば、他の方にも聞いてほしいんですけど…。」
私がそう言うと、クロロがシャルナークを見た。
視線を向けられたシャルナークは「オレじゃない!言うわけない」と否定している。
彼が不憫なので、私が構わず「お願いできますか?」言うと、物陰から2人…
パクノダとコルトピが姿を現した。
「…!」
パクノダの姿を見て思わず涙腺が痛くなる。
存在を、実態を目の当たりにして胸が張り裂けそうだ。
あまり見ないようにして、誤魔化したけど…
先ほど少し泣いていたので、バレていないと思いたい。
ぎゅっとスカートの裾を握る手に汗が滲んだ。
20231003