【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第116章 116話
「じっとしてなさい」
パクノダの掌が私の頭をめがけて降ろされた瞬間
能力が発動して、私は部屋の隅に移動してしまった。
「これじゃあ調べるのは無理だね」
ずっと黙っていたコルトピがあっけらかんと言う
「まだ、知られたら困る事があって…。信じてもらえないのは重々承知なんですけど…」
「団長!らちが明かないよこんなの」
私が言い訳がましく申し訳なさそうにしている横で、シャルナークはクロロにそう訴えた。
「シャル、お前の言いたい事は解るが、この能力じゃ条件をクリアするのは無理だ。」
「それはそうだけど…」
クロロの能力で私の念能力を盗むには、3つの条件を1時間内にクリアしなければならない。
恐らく私の手のひらを本に合わせる条件が達成できないと判断されたのだろう。
「真相が解らないのなら、管理するしかないな…。やはり少し面倒な事になった。
シャル、明日の集合までそいつを見張っておけ、逃げたらアジトを変えればいい。」
「オレ?!」
「お前が連れて来たんだろ、それに女の方もお前に懐いてるみたいだしな」
「え!?いや!ちち違っ、犬みたいな言い方やめてください!」
シャルナークが露骨に嫌がると、クロロは私を使って冷やかした。
浮き沈みの激しい表情を見られていたのか、私がシャルナークに弱い事を見抜いている…
『あーいう正統派な好青年がタイプ?』
ブランチで言われたヒソカの言葉を思い出した。
自覚していなかったけど、そうなのかもしれない…
何て言うか…眩しすぎてあまり見ていられないというか…緊張してしまう…
「集合をかけた以上、計画をオレの独断で中止にするわけにはいかない。
言いたい事があるなら、自分の口で他の団員に伝えるといい。」
そう言うとクロロはどこかへ行ってしまった。
パクノダとコルトピもそれに続いて部屋を去る。
後には嘆くシャルナークと私だけが残されたのだった…。