【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第112章 112話
「私もアジトに連れて行ってください!」
「ダメ」
やや眉間を寄せて口をへの字にするヒソカ
私の発言があまりのも突飛だったためか、即座に却下されてしまった…
ヨークシンシティにある五つ星ホテル
そのレストランは高層階にあり、テラス席には心地よい秋風と気持ちのいい日差しが優雅な雰囲気の中に漂っていた。
周りのお客さん達を見ると、ゴージャスでセレブな大人ばかり…私ってもしかしたら浮いているかもしれない…。
湿った制服は一先ず別の制服に着替え、髪型もメイクもさっと済ませてしまったものだから…もう少しちゃんとして来ればよかったと後悔していた。
いま目の前にいるウェイターさんもめっちゃカッコイイ…
スパークリングウォータを注ぎスマートにテーブルを去っていくその間でさえ、私はなんだか恥ずかしくなって身を縮めていた。
「あーいう正統派な好青年がタイプ?」
「え?!な、なに言ってるんですか!!」
「そうなんだ、つまんないよ、ああいうのは」
くだらない陽動にまんまと乗せられてしまった。
顔が熱い…
「そういう話じゃなくって!アジト!どうしてダメなんですか?!」
「…ダメって言うか…ムリ
ボクだってこれでもある程度立場を守らないと、無断で連れてきたら反感買うでしょ
逆にどうしてイケると思ったのか理解に苦しむね…」
ヒソカでも立場とか考えるんだ…
まあ確かにフェイタンやフランクリンとかからは認められてない感じだったし
仮初めの団員であるわけだから、怪しい行動はできないか…
「そうか...そうですよね」
「...一晩ボクと過ごしてくれるって言うなら考えてもいいけど?」
間をおいてヒソカは怪し気にそう言う…
またそうやって人の足元見て…
「……。」
私がジト…と睨みつけると、ヒソカは挑戦的な目線で見つめ返してきた。