第112章 112話

四次試験開始前にヒソカに渡したお守り。
私の血が付いた部分を内側に可愛く結んだレースのハンカチ


当時はゴンの為、好血蝶をおびき寄せる目的でヒソカに持たせた物だったけれど、今回はそれをキーにしてテレポートに成功した。

図らずもあの時の行動が役に立ったのだ。



私が子供の頃から肌身離さず持ち歩いていて、イメージもしやすいアイテムだったから
きっと転送自体は成功すると思っていたけれど、まだ持っていてくれたなんて思わなかったな…


ハンカチは脱衣所の服の中に入れていたらしく、転送に時間がかかった間に座標がズレてしまったみたい
そのせいでこんな事になったのだろう…。


「はぁ…」



洗面台の鏡を前に、酷い姿の自分を見てため息が出た。

滴らない程度に水気を拭きとったら、一旦帰ってもう一度着替えようかな…。