【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第2章 2話
ねっとりした暗闇をくぐり抜けて、私は恐る恐る目を開いた。
土のような地面の感触を内ももに感じる…、私地べたに座ってるのか…
見えるのはジメジメと薄暗い空間、顔を上げれば屈強な男の人が沢山居て…
「ひっ…!」
私はその人達から睨まれていることに気が付くと、声にならない悲鳴を漏らした。
全員と目線が合わないように顔を伏せ「すみません…!」と頭を下げるこの行動は、殆ど防衛本能に近い。
どうして謝っているのかなんて、自分でも分からなかった。
けれどその判断自体は正しかったのか…
私がそう言ったのち、睨みつけるようにこちらを見ていた人達は、一斉に視線を逸らして何事もなかったかのようにそれぞれに散って行った。
「…?」
何だかわからないけど助かった…?
ほっと胸を撫で下ろすのもつかの間
ここは…どこなんだろう…
確か私は遅刻して…学校について…朝会に参加して…で、体が浮いて…体育館の天井をすり抜けて…?
なんで上がっていったのに私地面にいるんだろ
というか大事なのはそこじゃなくてここはどこ?
私はどうなっちゃったの?
死んじゃったの?
一先ず立ち上がった私は、混乱気味の頭で良く周りを観察した。
あたりは窓一つない壁に覆われた広い筒型の空間で、突き当りは見えない。
ここにいる人は怖そうな男の人ばかりだけど、女の人もいるみたいだ…
しかしその間に流れている空気はひどく重いもので、ピリピリと張り詰めているように感じた…。
ここは…いったい…。
どこかで見たような気もする…
けれど私はこんなとこ知らないし来た事もないはず…。
そして何より、ここに居る人達の身なりや持っている道具は、私の生きてきた世界とはどこか異質に感じられた。
急に襲ってくる不安と恐怖
自分は間違いなく何か不思議な体験をしているという確信。
私はあまりの事態に眩暈がして、身を屈めて壁に寄り掛かってしまった。
二度寝さえしなければ…。
なぜか思うのはそんなことだった。
「おい、お嬢ちゃん」
「!!」