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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第96章 96話





「し、知ってたんです。」

「だから何で?」



どうしよう、今まで色んな人に自分の事情を打ち明けてきたけど、それはその人のことを信頼できたからであって…
この男、イルミは…とてもじゃないけど…


一番バレたらマズい人物かもしれない。


コンマ数秒の世界で、思考が巡る
本当のことを言っても信じてもらえないかもしれない。
信じてもらえたとしても、針を刺されて利用されるかもしれない。
黙っていたら殺されるかもしれない。
嘘をついても同じ…


あらゆる選択肢の中で、この状態から逃れるには……





「わたし…未来が見えるんです。」



嘘ではない。を貫く



「…………。」


ジロッと無言の視線が私をスキャンする様に上から下へ動く


「ふーん…それってホントなら凄いね、オレが正体を明かす最終試験まで見えていたってこと?」


「はい」



「少なくとも半月先の未来が見える能力か…、結構使えるね。」


「え?」


「オレ、キミと結婚してもいいよ。」


「っだ?!」




驚きのあまり顔を上げると、私をずっと覗き込んでいたイルミと目が合う



「変な声出すの癖なの?」


小首をかしげる彼からは、先程までの威圧感は感じられず
急にサッパリとした態度で好き勝手に話し始めた。



「オレももう20代半ばだし、家のことが絡むと母さんうるさいんだよね
これ以上興味のない縁談を持ちかけられるより、さっさと未来が見える嫁でも貰った方が楽かなってね」



私を利用するために結婚してもいいってこと...?



ベラベラと自分なりの論理を示し、1人で納得しているようだけど
私はその間に落ち着こうと必死に息をする事しかできないでいた。

何言っているんだ。
何言っているんだこの人


「オレと結婚しなよ。それとも今の話は嘘?
やろうと思えば、お前を操り人形にする事もできるけど どうする?」



どこの世界にそんなプロポーズがあるんだ!!!!!




「ハァ…ハァ…、ん…、わた、私…」

生唾を飲み込んだ。
緊張で声を出すのもきつい、心臓がバクバクして何もされなくても勝手に死にそうだ。


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