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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第95章 95話





…そして今のこの状況である。



「………。」


「……………」




足を組み、肘をつき…無言でティーカップのお茶を飲むイルミ
私はできるだけ目を合わせない様に下を向いている。


イルミは母親の気が済むなら…といった態度で大人しく茶番に付き合っている様子だ。




「キミ、念能力者になったんだ?」

「へ…?!」


キキョウさんが「後は若い人同士でね」と立ち去ってから15分はたっただろうか
何の脈絡もなくイルミがポツリとそう言った。

私がすっとんきょうな声で応えると、彼は機嫌が悪そうに「一度で聞き取りなよ」と目を細める

「あ…ハイ。そうです…ゼノさんにお世話になったりしてます。」

「だからウチに入り浸ってるんだ」

「ご迷惑おかけしてすみません。」


肩を縮こませ、背中をまるめてできるだけ小さくなる
「いや?というかキミはオレに対して迷惑をかけれる存在ですらないよ?」
と、ただ謝っただけでもトゲのある返しで威圧してきた。

これがイルミの通常運転なのだろうか。



「そもそもさあ、結婚する気なんてあるの?」

「ん?!」

またしても予想だにしない質問に声が詰まる。
イルミはこれ以上そういう応対続けるなら殺すよ?とばかりにオーラをメラメラとこちらに向けてきた。

「すみません、ごめんなさい。結婚とか考えたこともないです。」

早口でそう捲し立てて一息

「よかったぁ、なら母さんにそう言いなよ。オレはともかくさ、キミにその意思がないなら仕方ないよね」

彼はパッと手を合わせて一見明るくそう言う。

それができたら苦労しないんだけどなー…と思っても絶対に口には出せない。

「それなら、イルミさんから断ってくれた方が早いと思います。」

「もういいよその話は」


意を決して意見してみたら、即座に跳ね返された。
打って変わってすごく冷たい言い方だ…

自分からこの話し始めたくせに…




「それより、トリックタワーでオレのこと見破ってたよね、あれって何だったの?」

「!?」



まずいまずいまずいまずい…!!
急に窮地に立たされるじゃん…!

私の肩がガタっと大袈裟に揺れると、イルミは初めて私に身体を向けてきた。
視界の端で、大きな瞳が私を覗き込んでいるのがわかる。


これ、何か一つでも間違えたら終わるやつだ…

20230622
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