【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第90章 90話
初夏の様な日差しが強い日
私たちはいつものように集まって修行に勤しんでいた。
「いくっすよー」
「はい!」
本日の行を終えた後、休憩するゴンとキルアを尻目に
私はズシにお願いしてスーパーボールを一つ投げてもらう。
ぽーんと軽く放たれたボールは、放物線を描きながら私の頭上目掛けて落ちて…
タンッタタタ…
本来の着地点とは少しずれた場所に落下した。
「おー!」
一同リアクションが良い。
「まだまだ! ズシ!次は全部投げて良いからね!」
「わかったっす! それじゃあいくっすよ!!」
そう言うとズシは助走をつけ、バケツいっぱいのスーパーボールをできるだけ高く放り投げた。
バラバラバラバラと、凄まじい音をたて幾つものボールが転がる
「…よし!」
そして相変わらず分厚めな私の纏、そのオーラに触れたボール全ての軌道をズラすことに成功した。
「すごいっす!全部弾き飛ばしたっすね!」
「ありがとう、正確には別の場所に移動させているだけなんだけどね」
「へ〜!名前そんなこともできるようになったんだね!」と素直に褒めてくれるゴンとズシ
その傍らで窓枠に腰掛けているキルアは「ほ〜〜」と興味を示していた。
「お片付けもできるんだよ。」
もう少しキルアの顔をびっくりさせたくて、ちょっと頑張ってみる。
「ン!」と力を込めて集中し
今度は散らばったボールをズシの持っているバケツに集めてみせた。
このくらいの距離なら、纏を広げてボールに接触できる。
「わ! 急に重くなったからビックリしたっす!」
「おぉ〜!」
今度はキルアまで余さず驚かせることに成功
したり顔…といきたいところだが…
「本当はこれを雨粒でやれるようにしたいんだよね…」
「雨を弾くってこと?」
ゴンが驚いたように声を上げる
「そうなの、じゃないと私がやりたい念能力には至らないみたい」