【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第84章 84話
キルアside
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「3度目は言わねえぞ 放せ」
まだ人通りのある繁華街に冷気が走る
優位に立っていたはずの男2人は、1人の少年を前にただ竦んだ足を動かせないでいた。
なんだアイツ・・雰囲気が・・
「・・・女の方か?」
キルアの異様な雰囲気を感じ取り、サダソがボソリと呟いた。
ピクリ
キルアが僅かに肩を揺らす。
「リールベルト、そのボウズを解放してやれ」
「え?」
動揺しながらも、リールベルトはズシを下ろし後ろに下がる。
状況を理解しているサダソに任せ、アイコンタクトに従った。
人質は1人でいい。
キルアにズシを背をわせ、自分たちはこの女だけを手中に収めていた方が動きやすい。
サダソはそう判断したのだ。
「オレは2人とも放せって言ったんだ」
「いやだな、彼女達が倒れている所に通りがかっただけじゃないか、女性を地面に転がすなんてできないなァ・・」
思い通りの展開に、余裕の表情が戻るサダソ
「相手になってやるよ。お前等の望み通りな」
「・・・」
「そのまま大人しく名前を渡すなら全員に一勝ずつくれてやる
ただしゴンやズシ、名前を巻き込むようなら、話は別だ。」
「5月・・29日・・これでいいんだろ?」
「ああ、それじゃこの子も返そう」
闘技場内で対戦スケジュールを組むキルアを確認し
リールベルトは床にもたれかかるズシの横に名前を寝かせた。
「もう一度聞いておけ
忘れんなよ?オレは今、ブチ切れそうな所を限界まで抑えてんだ。
譲歩すんのはこれっきりだぜ、二度と3人に手を出すなよ。」
その言葉にも、足早に去ることしかできないサダソとリールベルト
そして慌てて廊下の角に隠れているギドを止める頃には、時既に遅し・・
予定通りゴンにもバッチリ脅しをかけてしまっていた。
画策を企てた3人は、その後不安な2週間を過ごす事となる。