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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第83章 83話





「よ・・すが・・お・・しい・・すよ・・」

「・・・とにか・・たのむ・・」


ウイングさんとキルアの声・・

少しずつ意識を取り戻す中、虚ろに誰かの言い争いを聞いていた。


「待ちなさいキルア君!」

「・・・」


バタン!


私が起き上がるのと同時に、誰か部屋から出て行ったようだ・・

「ウイングさん・・」

「名前さん・・!よかった、体に異常はありませんか?」

「はい、大丈夫です。あの・・今出て行ったのって・・」


私がそう言うと、ウイングさんは言葉を詰まらせるようにキルアの様子を教えてくれた。
話を聞く限りだと、どうやらスイッチが入ってしまってるらしい・・。

おかしい・・本来であれば翌日のゴン対サダソ戦を知っても自制心を保ててたはず・・

「キルアはどこに・・」

「よしなさい!まだ足元もおぼつかないじゃないですか・・!」

追いかけなくては・・

止めなくちゃ・・


私は身体を支えてくれているウイングさんを振り切り、掛けられていた毛布を羽織ったままキルアを追いかけた。



「キルア!!」


「・・・!!」



必死で走って追いかけていると、キルアの小さな背中が見えた。
私の声に驚いているようだが、振り向いたその表情は明らかにいつもと違う・・

「はあ・・はあ・・」

「お前、身体大丈夫か?」

「うん・・!キルア・・ありがとう」

「・・・もう戻れ、後は任せろ」


目元にかかる影が、より一層深く暗く映る
声のトーンや雰囲気からして、また心の制御ができなくなっている様で間違いなさそうだ・・

キルアは揺らぎに弱い、今まで答えの決まった二者択一ばかりを強いられてきたせいで
予想外の展開や、理解できない状況での行動を判断できないのだ
どうしたらいいか解らなくなった時、どうすべきかを条件づけているのが
キルアの頭に仕込まれているイルミの針

その針がキルアの心に反応した時、スイッチが入る・・。

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