【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第78章 78話
先行きを少し不安に思いながら、相変わらず長い廊下を進んでいると、着たことのない棟に入った。
日常生活をする雰囲気の建物ではない、石畳の地下室なのだろうか・・少し湿気を感じた。
「入れ」
その建物でもまた長い廊下を進み、ようやくある一室に案内される・・。
薄暗い廊下とは打って変わり、内装は他の客間と引けを取らない十分な設備が整っていた。
ただし、やはり窓はない。
「失礼します。」
一応頭を下げて中に入る、誰も居ないようだ。
ゼノさんは備え付けのソファーに私を促した。
「ここがお前の部屋になる、解っているとは思うがこの部屋は離れにある
母屋からの地下連絡通路でしか来ることができない、特別な建物じゃ
また、この部屋は地下室であるが故窓もない、長くいることもないだろうからな、まあその辺りは我慢せい」
「は・・、あ、ありがとうございます。」
ち・・地下何階なのだろうか・・
なんていうか、そういうのを聞ける雰囲気じゃない・・そしてゼノさんが有無を言わさずそういう空気を作り出しているという事は、聞くなという事だ・・。
確かに地下何階であろうと関係ないのだけど・・
この建物の存在意味を何故か察してしまった自分の勘の良さを呪った。
「お前にはこの床に神字を書いてもらう、キルと行動を共にしている限りは
何か頼むことがあるかもしれないが、その時は最優先に行動するんじゃ。いいな」
「はい」
なんだ、やっぱり孫バカなだけか~と気を抜いたのが悪かったのかもしれない。
ゼノさんがそこまで私の考えを見抜いたのかどうなのかは定かではないが・・
次の瞬間、耳を疑うような事を言われた。
「そいじゃあの、この扉はワシが出て行ったら二度と開かん
この後溶接して埋め立ててしまう予定じゃ、部屋までの廊下も数メートルセメントで固める
お前はここに残って神字を書け」
・・・・・・?????
・・!!
20160729