【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第77章 77話
避けられない事だからこそ、恐ろしくて仕方がない・・
私は用意された可哀想な鳩を見ながら、ごめんね・・と一応謝った。
失敗したらちゃんと食べてあげようと、ちょっと強引に自分を納得させ
丁寧に念を練り、能力を発動させる・・
不思議だ
手の中の鳩から鼓動が伝わり、生きている熱が手のひらから体内に入っていくようだ
こんなの始めて・・生き物だから・・?
しかしそんな体感も一瞬に過ぎ去り、瞬きをする間に鳩は手の中から居なくなっていた。
生き物であってもやはり消える時間は変わらないようだ。
ドキドキしながらもゆっくりとキルアの方を見やる、キルアも受話器の向こう側の反応を静かに待っていた。
「や・・・やっぱり・・消えちゃったのかなぁ・・」
あまりにも長い時間が過ぎていた。
今まではかかっても数十秒だったのに、鳩が消えてからもう3分は経っている・・
時間が立つにつれ私の不安は高まっていき、もはや持病と言える泣きグセがまた始まってしまった。
私が自分の手で・・公園で自由に飛んでいた・・ただの鳩を・・
そう思うと胸が詰まってしまい、自分自身を責めずにはいられなかった。