【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第77章 77話
静まり返る稽古場・・
不意に顔を伏せたことで泣いていることを悟られてしまったのか・・
ズシがぱたぱたと小走りでティッシュを取ってきてくれた。
それを受け取り、「ありがとう大丈夫だから」と口添えをすると
ウイングさんが静かに長い溜息を吐いた。
キルアもつま先で小刻みに床を叩いている。
「鳩くらいで泣くんじゃねーよ」
キルアが半分呆れた様子で溜め息混じりそう言った。
多分、もう半分は落胆の意・・
やっぱりこんな簡単に行くわけなかったんだ・・と、私自身も半分諦めに気持ちが切り替わろうとした時
キルアの持っている携帯から薄っすらと声が聞こえてきた。
「動物なんぞ送ってくるんじゃない!」
!!ゼノさんの声!?
「うわ、びびった。なに?そっちにハト着いた?」
思わず電話から耳を離したキルアが、鳩の無事を確認している
私が心配そうにその様子を見つめていると、キルアは拳を前に出して親指を立てた・・。
やった!
「よかった・・!よかった!やった―!!」
送られた鳩が稽古場で飛び回り、ゼノさんを困らせてしまったみたいだけど
どうやら怪我もなく元気な様だ・・。本当に良かった・・。
ズシもウイングさんも安心したように小さく手を叩いてくれた。
となったら次は・・
最後のテストだ。もはや自分を使った人体実験・・・。
20160725