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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第74章 74話



「どうかしましたか?」

いらぬ事を考えていたらつい呆けてしまっていたらしい
ウイングさんがホワイトボードの手を止めてこちらに近づいてきたのにも気づかなかった。

「あっ!すみません、大丈夫です。ちょっと前いた世界の事を思い出して・・学校に通ってたので」

「・・・そうですか、こちらに来てもう4ヶ月近く経ちますからね
慣れてくると逆に思い出した時辛くなるものです。名前さんは学校の成績、良かったんですか?」

「えっ!」

突然とても答えづらい質問をされてしまった・・。
目線を流し冷や汗をかいていると、ウイングさんはくすくすと笑う。

「い、いやあのっ!学校の勉強はできる方じゃなかったですけど!
念の!念の修行とかお話しとか、ウイングさんに教えてもらう時は
あの・・、わたし・・才能はないですけど・・凄く成果を出せてると思います・・。
ウイングさんは出来ない私も見放さないし・・本当に解りやすいし・・何で躓いているのか見抜いてくれるし・・
本当に・・ウイングさんが先生で良かったです・・。」

顔を背けたまま焦ってそう捲し立てたけど・・

数秒ウイングさんからの反応がない。
いまさら顔を上げる事もできず更に冷や汗をかくと
間を置いてウイングさんがフッと笑った。

「君が、真面目でいい子だからですよ。」

鼻で笑われたのかと思って顔を上げた瞬間

彼は今まで見た表情の中でも一番優しい笑顔で私を見つめていた。

例えるならふわっふわでちょっと周りに花が咲いたかもしれないくらい柔らかな笑顔だ
私はそんな想定外の攻撃をされて硬直してしまっている・・
いや、まってどうしようこれ・・ドキドキしてるけど
そういうのじゃないよね・・?私・・ちがうよね・・・?

「・・ぃ、は・・っはずかしいじゃないですか!そんな褒め方されると私っ、わたし」

「君が先に言い出したんじゃないですか。私も恥ずかしかったですよ
でも、ありがとうございます。先生も、よい生徒をもてて良かったです。」

テンパる私をニコニコーっといなすところがやっぱり大人だ
普段はだらしないのに、ウイングさんって人はたまにこう大人ぽくってドキドキさせられる

私だけ顔真っ赤でほんと恥ずかしい。
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