【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第74章 74話
「先日はお疲れさまでした。良くやりましたね名前さん」
昨日のお怒りオーラとは違って、今朝の稽古場でのウイングさんはカストロでの一件を褒めてくれた。
「ニュースでカストロの容態が安定したとの報道もありましたし
これでやっと、神字についての修行に移る事ができますね。」
私はというと久しぶりにランランと晴れやかな気分だ
カストロさんにとって良い事か悪い事かは解らないけれど・・
私は、私の信じる事をつき通せる力が付いていているって実感できたから・・。
しかし一難去って、やっと一息といったところ
連日のトランプを相手に奮闘した修行の疲れが溜まっていないとは言い難い
「神字って・・難しいものなんでしょうか・・。」
そんな時に、きつい修行はちょっとなぁ
なんて甘ったれた事を考えながら促された椅子に座ると
ウイングさんは私の指輪を持って近くに差し出した。
「この指輪の内側に神字を刻み込みます。
以前にもお話ししましたが、この指輪自体念を込めやすくしてあるという事と
群青の念の方で行うので、君にも苦労せずこなせると思いますよ。」
「なるほど・・じゃあ、早速よろしくお願いします。」
私は丁寧にお辞儀をしながら、ほっと肩をなで下ろした。
「はい、よろしくお願いします。
それじゃあまずは理屈から説明しますね、神字というものは本来~・・」
今までの修行と違って、まるで勉強だ
私はウイングさんと向かい合わせで机に座り、真剣に話を聞きながらノートを取っている
塾に通っていた頃を思い出し、少し寂しくなったのはこちらでの生活が嫌になったからではない・・