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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第73章 73話



・・・・・・・・・・・



「ハァッ・・・・ハァっ・・・」

浅い切り傷で血まみれになった自分の手の中に、同じく血まみれになっているトランプが3枚・・

「やっ・・・った・・。やった・・・・」

ぼろぼろと泣き崩れ出口通路の壁に寄り添い蹲っていると誰かに腕を捕まれ持ち上げられた。


「キルア・・」

驚いて顔を上げると、何故か少し焦っているようなキルアがいた。
私の姿を見た途端、表情がみるみる変わり驚くように口を開く
何か言ってやろうとするも、どれからぶつけてやればいいか混乱しているような感じだ・・。

私もまだ心の整理がついていないので、気の利いた一言目が出てこない。


「オメーー何やってんだ!!」

「ひっ・・・」


何故か迷子の子供に叱りつけるような叱咤を浴び、私は腕を引きずられながらそのままウイングさんの元へ連行されていった。



「ウイングさん!私やりました!!」

「あらあらあら・・」

血まみれになり満面の笑みで泣きながら嬉しそうにそういう私はちょっとすごい絵面かもしれない。

ウイングさんは慌てて止血をし、血を拭いてくれた。


「一応成功したんだね、おめでとう。
でも君がこんなになってしまっては・・、手放しに褒めることはできませんね。」

「2人してグルかよ!止めてもらおうと思って連れてきたのに!」

「いえ、グルとかそういうわけではなくてですね。
これは彼女の意向なので、私にはどうにも・・。」

「アンタが止めてやらなかったらコイツ今後一体なにしでかすか・・!
おい!き い て ん の か、お前の話してんだよ!」

凄い形相でキルアが怒っている・・。
最初はどうしてこんなにキルアが憤怒しているのか解らなかったが
胸ぐらを掴まれてすごまれた今、近くてその目を見てわかった・・。


「キルア・・、心配させてごめんね・・。」

胸ぐらを掴まれたままだが、何もかも嬉しくてキルアの柔らかなうなじを優しく撫でた。

ポカンと固まったのち、ゆっくりと掴む力が抜け私は解放される。

「大丈夫、ほら見てよ、ちょこっと切れちゃっただけ
手のひらだから跡になりづらいし、わたし今ずっとしてきた努力にやっと報われたの」

ね、と諭すように優しく言葉を選んではみたが
キルアはこういう時目線を合わせようとしない・・。
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