【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第73章 73話
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『切られたはずの右腕が!?
元に戻ってるーーーーーー!!』
会場はちょうどヒソカの奇術を目の当たりにして
この試合での一番の盛り上がりを見せているところだった。
名前は濡れた前髪をかき上げ、深呼吸をして体制を整える
首にかけた転送元となる指輪に触れながらオーラを練った・・。
「・・?」
突然現れた念の気配に最初に気がついたのはマチだった。
力を強く感じる方へ視線を向けると、制服姿の女の子がリングを見据えている
先ほどその人物に感じた違和感を確信へと変えたマチは、隣の出口通路に立つ彼女の目線を追った。
試合ももうクライマックスだ。
ヒソカはカストロに死の予言を告げ、我を失ったカストロのラッシュが続く
しかし手当たりしだいに振りかざされる拳がヒソカに当たることはなく、カストロは下アゴに重い一発を食らった。
その瞬間、名前の群青のオーラが一気に膨れ上がる。その膨大な念の気配で次に気がついたのはキルアだった。
マチ同様、気配の方へ目を向けると、名前が自分の何倍ものオーラを身に纏っているのを見た。
「アイツ・・」
名前が強く睨むように見ているのはリングのカストロだ・・
左腕、右腕とトランプによる攻撃を食らったカストロを見て名前の考えを悟ったキルアは、その瞬間に目を凝らした。
ヒソカから放たれたカードは12枚・・
『ワーーーー!!!!!』
あがる歓声、怒号、悲鳴
倒れるカストロ・・
その彼に刺さっているカードは・・
「・・・9枚・・。」
キルアがそれを確認するのと同時に、マチもまた名前の思惑を察していた・・。
胴体を狙われたカード3枚だけ・・何処かへ消えたのだ・・。
なぜあの子がカストロを・・?そう思考するに至る前に、マチは考えるのをやめた。
必要ないからだ、興味もない。
勝ったのはヒソカに変わりはないし、試合後に治療が控えている
暗闇に溶けるように姿を消し、マチはヒソカの個室へと向かった。