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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第73章 73話







「・・マっ」



危ない、またやるところだった。


思わずマチの名前を呼びそうになるが、彼女はリングを見つめる目を離さない
幸い、私など気にしてはいないようだった。

口から出そうになった心臓と吐き気を飲み込み黙って立ち去る

出口のドアを開ける時、彼女が私に振り返った事など・・もちろん気がつかなかった。



会場とは打って変わって閑散としたラウンジへ出ると、長い深呼吸をした・・
分厚いドア越しに歓声が聞こえる。

急いでお手洗いに向かい、洗面器で口を濯き蛇口を閉めるが
それでもまだ頭がグラグラする・・気持ち悪くて唾液が止まらなくなっていた。

ぽたぽたと滴る雫が刻一刻と迫るその時を暗示しているようで・・
目の前の鏡に映る頼りない私を見てしまうと、次の瞬間にはまた水を出してバシャバシャと顔を洗っていた。

エスカレートするように勢いよく水をかぶる・・


最後は両手で自分の顔を引っ叩いてやった。


私らしくない、このままじゃ上手くいくものも失敗してしまう

「よしっ!」



どうにか気持ちを立て直せた私は、急いで会場へと戻った。
勿論、マチと出くわした通路を1つずらした入り口から


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