【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第8章 8話
「なるほど、ではお前さんはこの娘を道具として本試験に持ち込んだというのじゃな?」
「そう、だからボクが許した事じゃないと問うても答えない」
「ふむ、そうであれば特に何の問題もないのう」
少しの間が空いて、ネテロ会長はそう言った。
すぐさまメンチさんやビーンズさんが抗議に出たが会長の「しかたあるまい」の一言で諦めたようだ。
なんの話か解らないままだが私はなんとか飛行船へと乗り込めそうだ。
「ったくなにアイツ、信じられない!あんな解りやすいウソを見過ごす会長も会長よ!!」
「何をお考えになっているのでしょうか会長は・・、生人形だなんて禁忌ですのに」
並んで歩くメンチさんとビーンズさんの言っている事を聞いて、なんとなくは理解した。
つまりは何の関係者でもないただの人間が試験に紛れこんでいる事が大きな問題で、それをヒソカさんが無理やり自分の御膝下に置いて事なきを得たという一部始終のようだ・・。
これは感謝すべき・・なのかな(猿とか蛇扱いされたけど・・
「ちょっとあんた」
「・・!はい・・!」
「凡人が首突っ込んでタダで済むところじゃないのよ、アイツに脅されてたり弱み握られてんなら言いなさい、私はこんな事認めないんだからね。」
ずいっと顔を近づけたメンチさんに、まっすぐ見つめられながらそう凄まれる。
「・・え、・・ええご心配ありがとうございます・・。」
私がうつむきつつ目線をそらしそう言うと、メンチさんは「心配なんかじゃないわよ」と足を踏み鳴らして先に行ってしまった。
ヒソカにも先に行かれてしまい、通路で一人になった私は窓際の椅子に腰をかけて景色を眺めた・・
・・考える事は沢山あった。