【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第66章 66話
そうして私達は話しながらも中央公園近くの食堂に入り食事をすませ
さっそく麻袋を手に公園のベンチに座って餌をやり始めた。
「ハトに餌あげるなんて子供の時以来だな・・」
「自分にも分けてほしいっす!」
カラッと晴れた空の下でのほほんとベンチに腰をかけてハトに餌をやっている・・
ズシは何だかそれなりに楽しそうだ・・・、ウイングさんは少し休めって言いたかったのかな・・。
「あははは、すごいっす!名前さん!こんなに集まってきたっすよ!!」
「え? ・・・あ!や!きゃっ!!」
ぼーっとしていると羽音と共にバサバサ鳩が集まってきていた
ズシの足元は既に鳩で埋め尽くされてしまっていて、それが面白いのか彼は無邪気に笑っている
「ちょっとズシ!ちゃんと広く撒かなきゃー!」
私はその様子を見て慌てて餌を掴み遠くの地面へ投げた
すると鳩は撒かれた餌に釣られて、なんとか私達から離れてゆく・・
ほっと胸をなでおろしてズシを叱ると
彼はそれでも楽しそうにケタケタと笑うから、なんだか私まで可笑しくなって笑い始めてしまった。
確かに強張っていた肩の力は抜けた気がする・・・
笑い疲れて息を整える
調子に乗った私は、すっと立ち上がると
餌に群がる鳩に近づいた・・・。
「捕まえるんっすか?」
「しーっ!」
そーーーーっと息を殺して足を忍ばせ近づく・・・
そしてタイミングを見計らって腕を伸ばし・・、私は勢いよく鳩に掴みかかった。
「!!・・きゃ!」
しかし、集まっていた鳩はその手をするりと避けて、バサバサと逃げてしまう・・
「あ~~・・・・いつも捕まえられないんだよねーー・・」
「それじゃあダメっすよ、鳩に気配が伝わってるっす」
「??」
私が項垂れてベンチに戻ると、今度はズシが席を立って鳩に近づいて行った。
「・・・・」
「・・・・・っや!」
私と同じように鳩に歩み寄り、タイミングを図って腕を伸ばすズシ・・
何ら変わらないように見えるけれど、ズシはなんと鳩を捕えて、私の所に走ってきた。
「えー!すごい、なんで?!」
「こんなの簡単っすよ!絶で気配を消して・・・あ!」
「!!」