【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第63章 63話
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そして
手紙と荷物を受け取り、私はひとまずゴンの部屋へと戻っていた。
1人にしてほしいとの事だ・・・、今は放っておくしかないだろう
因みにゴンは試合中だ
確かギド戦が3月からだから、それまではしばらくの間私の知りうる事は起きない。
かといって暇を持て余す事もできないので、私は送られてきた手紙と例の箱を持ち
部屋を後にしてある場所に向かった。
試合会場・・・
1人で来るのはあまり好きではないが、あの人に会うためには仕方が無い
私は怯えながらも試合中のゴンを探し、終わりと同時に待機室の前で出待ちする事にした。
「・・・・ゴン・・、早くー・・・・」
待機室から人が出てくる度にチラチラと強面の男たちに睨まれる
その都度私は冷や汗を浮かべ、誰にも聞こえない程の声でゴンを呼んだ。
緊張を和らげようとしているのか
無意識に貧乏ゆすりをして、ひたすら斜め下の地面を見つめている・・
「名前・・!」
「ゴン・・おそいよ」
そうしている間に前方から私の名前を呼ぶ声がした
試合の終わった大勢の選手と共にゴンも出てきたようだ。
ゴンは「だって来るなんて聞いてなかったから」と驚きの表情を見せつつも
「待たせてごめんね」なんて苦笑して見せる
私が勝手に来ただけなのにやっぱりゴンは優しい
「それにしてもどうしたの?スイッチ押しに来たの?」
「ううん、違うけど。ちょっと応援しに・・・
えっと今日はあの人たちは来てないの?」
「あの人達・・?ウイングさんとズシの事?」
「そ、そう!」
わざとらしく辺りを見回して、さりげなく2人の居場所を聞き出そうとする
知らないフリって結構大変、私はすぐ顔に出ちゃうから・・
それでもゴンは気がつかないけど
「2人なら今朝会ったよ、今日はもう一試合あるみたいだったからもしかしたらまだ居るかもね」
「そっか、ゴンはもう帰るの?」
「ううん、オレは換金所寄ってから」
「そうだそうだ換金所寄らないとね、じゃあいこ」
どうやらウイングさんは行方知れずの様だ・・
ゴンも知らない様だし・・ちょっと困ったな・・・。