• テキストサイズ

【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第60章 60話



私はそんな事を考えながら五目焼きそばを咀嚼していた

その間キルアは若干の苛立ちをみせつつも
私が食べ終わって話し始めるのを期待するように見つめている。


「知ってるけど、今は内緒。」

しかし身を乗り出して話を聞き出そうとするキルアに私は一言そう言った。

「ああ?!なんでだよ!話せない理由でもあんのか!」

突き放すような言い方が悪かったのか、期待を持たせるような間が悪かったのか
キルアは予想以上に声を荒げて噛みついてくる


「沢山あるんだよー・・。大丈夫、近いうちにちゃんと教えてもらえるから」



立ちあがったキルアをまあまあと落ち着かせ宥めていると
タイミング良くゴンが戻ってきてくれた。

キルアもそれに気づくと、何か言いたげにしながらも大人しくまた席に収まる・・。
嘘は言えない上に今しがた仕方のない事だ・・、悪いけどもう少し我慢してください





「あ、そうだ。ちょっと2人ともいいかな」

向かいに座っていた私は鞄からカメラを取り出し、反対側の2人の隣に移動する
ソファー席だけど詰めて3人寄り添い、写真を撮った。

思いっきり自撮りだが、数枚撮ったのでいくつかマシなものがあるだろう
後は現像して、手紙を添えて投函・・・。

結局どの写真でもキルアは嫌がって眉間にしわを寄せているので
あまり楽しそうな様子は伝わらないかもしれないけれど面白い写真ができあがった。

こっちにきて初めて撮った写真を見て
わたしは本当にこの世界にいて彼らと共に時間を過ごしているのだと改めて実感する・・。
3人でこうしていられる時間がずっと続くわけじゃない、解っていてもどうしてか胸が切なくなった。
私は意味もなく写真を指でなぞり・・そしてその1枚をそっと胸ポケットにしまった。








130724
/ 450ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp