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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第59章 59話



地上数百メートルの絶景の中・・
高級感あふれるホテルの一室で男女が共にディナーを楽しんでいる。




ここまではなんともロマンチックで素敵なシーンのように思えるけれど

ただし男の方は殺人鬼だ。




「どう?美味しい?」

「ほ・・、ほいひいです・・・・。」

私は必死に目の前の食べ物を片付けている
とっとと食べてさっさとこの人の傍から逃げたい一心でだ。


「そんなに急いで食べなくても、誰も取って食べたりしないよ・・」

私が取って喰われそうなんですけどね


ヒソカはワイングラスを片手に夜景と私を交互に眺めて楽しそうにしている・・
私には彼が何を考えているのかさっぱり解らない。


「っ・・はあ!ごちそうさまです・・!
お料理とっても美味しかったです、ありがとうございました。それじゃあ!」

お冷を飲み干し、そう言うと
私はカバンを持って席を立ち扉へと足を踏み出す

今度はバンジーガムされてないみたいだ。


「せっかちだなぁ、そんなにボクと居るのが嫌なのかい?」

「ごめんなさい、そうです。」

「傷つくねえ」

ククククと笑っていて全く傷ついてるようには見えないんですけど・・


「でも、その・・今回の事と試験での事は・・・・、あの・・・か・・・感謝してます・・・。」


照れくさくて斜め下を見ながらそう言うと、ヒソカは急に静かになった。

そして窓際の席から立つと私に近寄ってくる・・
目をそむけてからヒソカさんを見る事ができなくなった私は、逃げようと思っても何故か足が動かなかった。

さっきと同じだ







「ボクは生かしもするし、殺しもする・・・。」

「っ・・!」



「覚えておいた方が良い
君の中の悪魔の方のボクが、本当のボクだから・・」

前を向かない私を、彼は顎を掴んで自分に向かせながらそう言ったのち
額にキスをして私を部屋から出した。


・・・・・

・・・・・・・・


私はまた泣きそうになっていた。



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