【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第57章 57話
————————————————————————————————
「只今戻りました~」
「ああ、丁度今始まる所ですよ」
ふぅ・・どうにか間に合った・・。
偶然ヒソカに出くわした私は、当然彼から逃げられる訳も無く
とりあえず今日までの話なんかをしたわけなんだけれど・・・
「お金がない・・ね」
「そうなんです・・
2人はこのファイトで今日の宿代くらいは大丈夫なんですけど・・
私はこれ以上迷惑かけたくないし・・
でもギャンブルスイッチを押すには今お金が必要だし、それで困っていて・・。」
近くの公園のベンチに腰掛け、事情をヒソカに話す。
なんとまあ奇妙な絵だ、今日はいつもの戦闘服じゃないにしろ彼は目立つ
凄まじく目立つ・・、もっと言えば私まで注目されたくないから早くこの場から離れたい一心だ。
「幾らくらい必要なの?」
「キルアの試合は倍率が低いので
あればある程いいですけど・・・まさか・・・」
「はいコレ、今夜一緒に食事をしてくれればいいから」
まさかと思って顔を上げると
ヒソカはパサッと手持ちのお札を恐らくすべて私に渡してくれた。
「えっ、いいんですか・・!」
「いいよ、そのかわり今夜・・」
「ありがとうございます!!私急いでて!すみません!!それじゃー!」
ヒソカが言い終わるのも待たず、私は闘技場へと駆け戻った。
何が言いたいのかは解ってるし、受けた恩はちゃんと返すつもりだ
お金でも食事でも・・、終わったら彼の個室を受付で聞いて行けば良いだろう。
とにかく今は急がなきゃ!