【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第50章 50話
沈黙が稽古場を覆った
期待に踊っていた胸も、嘘みたいに静まり返って
ああ、嫌な予感がひしひしと迫りくる・・・
「舞い上がっている様じゃからな・・・先に伝えておこうと思うての
前にも何度かゆうたが・・・、お前には念の才は無い。今の状態では見込みも無い。
お前の念能力はこのまま極めても使い物にならないどころか、精孔を開いたせいで
纏だけでもできるようにならなければ、いずれ身体が壊れるだろう・・。
じゃから明日からはまた纏の修行をはじめるのだ。勘違いするな、ぬか喜びも可哀想だから教えてやったんじゃ
お前にそんな顔をさせたくて伝えたんじゃないわい」
・・・・・・・・ショックだった
そりゃあ、念能力に目覚められる人はほんの一握りなのも知っている・・
自分がその中の1人とも到底思っていなかった。
でも確かに私のオーラは身体から出て、少しだけれど目で確認もできて纏もできた・・・
ただそれだけで、私は今日までこんなにも一生懸命になれていたと言うのに・・・。
諦めなければいけないだなんて・・
そんな・・・
茫然と口を開いたまま、静かに涙が流れた。
その瞬間、眉間に皺を寄せて涙腺から迫りくる涙を流すまいと耐えるように唇を噛む・・・。
己の脆弱さを悔やんだ
ゼノさんの最後の言葉が、そんな私を見てなのか
優しくなった事にも情けなくて涙が止まらない。
それが同情でも哀れみでも
ゼノさんにまでそんな気を使わせている自分が嫌だ、悔しい 。
「・・・でも・・、私・・諦めたくないです・・。」
「無理を言うな・・、とてもじゃないがお前はその辺の人間より心も体もか細く弱い
自覚しているだろう、この世界に来てからこうしてここに居る事だけでもどれだけ幸運な事か」
「嫌です!絶対に念だけでも習得しないと足手まといになっちゃう・・!
トレーニングだって座禅だっていくらでもやりますから!お願いします・・!何か方法は無いのでしょうか・・」
駄々をこねるなんてまるで子供だ
だけど悔しくて情けない気持ちがどうしても諦めようとはさせてくれない。
だって・・このままの私じゃなにもできやしないんだもの・・
少しでも変わりたい・・・強くなりたい。